変身
私が犬の散歩をしていると、軽トラが近所のため池に突っ込んでいった。最初は事故かと思ったが、そうでもないらしい。よく見ると、軽トラには黒人の男が3人乗っていて、まずいとこ見られたな〜という顔をしていた。私はヤバイ雰囲気を感じて足早にその場を去ろうとしたが、どこからか黒スーツの男達がたくさん出てきて私を取り囲んだ。私は男達に取り押さえられ、意識を失った。そして眼が覚めた時、私は以前の私ではなかった。私は改造手術を施され、普通の人間の5倍の身体能力を持つ超生命体へと変身していた。走る速度は車より速く、跳躍力は10m以上、そして硬質化し鎧の様に変形した肌。黒くて光沢のある硬い皮膚は、カブトムシやクワガタを連想させる。私はその場に崩れ落ちた。バ ケ モ ノ 。この能力。この姿。これがバケモノでなくて何なんだ。何故私がこんな目に。何故…。私は、私は…こんな醜い姿で生き続けなければならないのか!その時、視界の端に何か黒いものが映った。さっきの黒スーツの男かと思ったが違っていた。そこに立っていたのは、私と同じ黒光りする鎧の肌を持つ少女だった。少女の話によると、改造手術を受けたのは私達だけではないらしい。私達のような若者は改造手術により生物兵器として利用され、それ以外の人は実験に使われるという。私達は、捕まった家族を助けるため、そして元の身体を取り戻すため、謎の組織への復讐を決意した。 |